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赤間 一仁(あかま かずひと)

  • 教授  理学博士
  • 生物資源科学部生命科学科
  • 大学院自然科学研究科農生命科学専攻

主な研究テーマ

  植物tRNAを中心にした分子生物学、イネGABA代謝系の機能解明とその応用

<所属学協会>
日本分子生物学会 日本植物生理学会 日本アミノ酸学会 米国植物生理学会

担当講義

(学部)遺伝子機能 植物の生理 生物学概論 細胞生物学実験 生物科学セミナー
(研究科) 植物ゲノム応用科学特論

受験生へのメッセージ

 植物を対象とする研究は遺伝子の働きを探る基礎研究から健康に役に立つお米の研究開発まで幅の広い内容を一つの研究室で出来るのが魅力です。ここにはあなたをやる気にさせるテーマがあります。

自己紹介

 私たちのグループでは分子生物学的実験手法を主に用いて、1)植物核tRNAの動的な発現制御機構、2)植物細胞が豊富に含む、非タンパク質性のアミノ酸の一種であるγ-アミノ酪酸 (GABA)の機能解明を大きな柱として研究を行っています。モデル植物であるシロイヌナズナとイネは高等植物の中で最もゲノム解析が進展しており、決定された遺伝情報、遺伝子クローン、様々な種類の変異株、形質転換法を有効に活用しながら、上記課題に取り組んでいます。研究課題の多くは国内外の研究室と連携して進めています。これに加え、2008年からポストイネゲノム研究の大型プロジェクトである「新農業展開ゲノムプロジェクト」の新規課題に採択され(http://cropgenome.project.affrc.go.jp/)、 機能性成分として注目させているGABAに的を絞った分子育種学的研究を展開しています。

キーワード

 GABA、アグロバクテリウム、形質転換、イネ、シロイヌナズナ、tRNA、遺伝子発現、イントロン、スプライシング、 グルタミン酸脱炭酸酵素 (GAD)

連絡先

  • 電話:0852-32-6493(学部事務室)
  • E-mail:akama@の後にlife.shimane-u.ac.jpを付けてください。

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お米に含まれるギャバの分析の図

松江通信-赤間一仁(52回生)

 

松江通信第1

 

関西鰐陵同窓会の皆様、52回生(大谷地中)の赤間と申します。現在島根県松江市にある大学法人島根大学生物資源科学部に勤務しております。当地に赴任してから早30年になります。後4年で定年退職を迎える年になりました。石巻高校時代は美術部に所属しており、顧問はラグビー部と兼務の橋本先生でした。

 

母校を卒業してからの軌跡を手短にお話ししますと、1浪をして1981年に北海道大学(理学部生物学科)に入学し、卒業後に同大学院理学研究科(谷藤茂行教授に師事)に進学しました。修了後、総合研究大学大学院大学(愛知県岡崎市・基礎生物学研究所)に19894月に入学し、モデル植物シロイヌナズナの形質転換系の確立で学位(理学)を取得いたしました(岡田清孝博士に師事)。その後フリードリヒ・ミーシャー研究所・B. Hohn研究室(スイス・バーゼル)に1年間留学し、19924月に島根大学に赴任しました。専門は植物遺伝子の機能解析とその成果を応用した農作物(特にイネ)の品種改良の実践です。

 

 先月3月に所属する学術学会の大会である第64回日本植物生理学会が315日から17日まで仙台で開催され出席いたしました。実は震災の年の3月中旬に同じ学会が仙台で開催される予定でしたが、言うまでもなく大きな混乱の中で中止になりました。あれから12年後の今年、コロナ禍が収束しつつある中、仙台でこの学会が開催されたこと、当時の学会関係者のことを思い出すと、大変感慨深いものがありました。

 

学会の後に実家がある旧河北町に帰省いたしました。同じ時期に関西鰐陵同窓会の加藤憲雄会長も石巻に滞在し、大川小学校の震災遺構を訪問されたことをご連絡いただきました。震災以降帰省の度に大川小学校には足を運びます。旧河北町の学区は飯野川、大谷地、二俣、大川地区の4つ分かれており、旧河北町の住民にとってどの地区も互いに身近な存在でした。現在大川小学校は震災遺構として整備され、多くの見学者の訪問があります。慰霊碑の前で手を合わせると、多くの子供たちや教職員の無念さ、大切な子供を失った親御さんたちの嘆きがひしひしと伝わってきました。

 

もっと早くに関西鰐陵同窓会に加わり、島根県、松江や山陰地域のこと、赴任してからこの30年間の大学の変遷(統合、法人化、大学改革、ガバナンス強化など)について情報発信をすべではなかったかと反省しきりです。このような場を提供していただきましたことを大変感謝しております。これから定年までの4年間で「松江通信」が何号まで到達するのか分かりませんが、松江の文化歴史、今大きな帰路に立つ日本の大学のこと、今進めている研究の成果などについて発信できればと願っています。

 

 大分春らしくなってきましたが、季節の変わり目です。関西鰐陵同窓会の皆様におきましてはくれぐれもご自愛ください。

 

 

島根大学生物資源科学部教授・赤間一仁(52期生)